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日々過ごすブログ

とりあえず文章を書いてみよう、というブログですね

NTTも他の企業もちゃんとEV-SSLを使えばいいのでは

こちらの記事。


NTT西日本の偽サイト出現、会員情報を入力しないように注意 - ITmedia エンタープライズ


最近よく話題になる、偽サイトを用意したフィッシングの話題である。ちょっと違和感を覚えたのが、記事の中で呼びかけられている偽サイトの見分け方が、サイト内のここの表示が違うだとか、正規のURLと違うだとか、細かいところに気をつけましょうね、という感じになっていること。これってそもそも、NTT WestがEV-SSL証明書を使えばほぼ解決する問題だと思う。


現在NTT WestのURLは、「https~」で始まっているので、SSLを使って通信しているわけだが、このときサイトのドメインが本物であることを確認するのに、SSL証明書というのを使用している。
要するに、「暗号化した通信をするのはいいが、通信している相手は本当に本人なの?」ということを、確認するための仕組みだ。
通常、このSSL証明書というのは、シマンテックやグローバルサインなんかのCA(認証局)と呼ばれる組織に申請して発行してもらうのだが、これには通常のSSL証明書の他に、EV-SSL証明書というよりグレードの高いものがある。
これも簡単に説明すると、「証明書は本物みたいだけど、そもそも証明書を使ってる組織は怪しくないの?」というツッコミへの答えとなる。
EV-SSLは審査がとても厳しい。
まず、少なくとも法人や団体として登記がなければならない。
他にも、自国以外からの申請に制限があったり、もろもろの資料を提出して相応の正当性があるかの審査を受けることになる。
こうすることで、「yahooo.co.jp」や「goggle.co.jp」なんていうドメインSSL証明書を取得し、セキュアな通信でフィッシングされてしまうのを防ぐ効果が期待できるのだ。


さて、EV-SSL証明書を使うと何が良いか、というと、何よりも視覚的に安全性がわかりやすいのが大きい。
現行のほとんどのブラウザにおいて、EV-SSL証明書SSL通信を行っている場合、アドレスバーに緑色のマークと団体名が出現する。
IE11だと、こんな感じだ。

NTT West(通常のSSL証明書)
f:id:tylerhandstone:20141115132609p:plain
JAL(EV-SSL証明書)
f:id:tylerhandstone:20141115132620p:plain

EVの事例がJALなのは偶然です。
これなら見落としにくい。もちろん、冒頭の記事にあるように、サイトの細部に注目していつもと違う個所を読み取れるようにすることも大切だが、例えばGoogleなんて予告なしにしょっちゅうサイトを改変しているわけで、コンテンツが更新される度にいちいちチェックするのが煩わしいのは確かだろう。
ついでに、ChromeFirefoxの例も載せておく(Operaは使ってないので、あしからず)

Google Chrome 38
f:id:tylerhandstone:20141115133258p:plainf:id:tylerhandstone:20141115133306p:plain

Firefox 33
f:id:tylerhandstone:20141115133405p:plainf:id:tylerhandstone:20141115133411p:plain

スマートフォンから見た場合はどうかというと、ちゃんと対応している奴としていないやつがいるみたい。
いつか別で記事にするかも。


なお、SSLについての詳しい説明はこの辺を参照のこと

Symantec SSLについて
http://www.symantec.com/ja/jp/page.jsp?id=how-ssl-works
Symantec EV-SSL証明書について
http://www.symantec.com/ja/jp/ssl-certificates/secure-site-pro-ev
EV-SSL証明書の導入についてのIT Mediaの記事
EV SSL証明書の基礎:5分で絶対に分かるEV SSL証明書 (1/6) - @IT

東京メトロがアプリコンテストをやるらしい

この話題

このオープンデータとやらがどのような形で提供されるのかなど、具体的な情報がまだ出揃っていない段階ではあるが、この手の試みがもっと増えて来ると面白い。
ちなみに、コンテストの概要*1によれば、

「もっとうれしい」アプリ
すでにホームページで公開している
 列車時刻表、
 駅別乗降人員、
 バリアフリー等の情報

に加え、今回初めて東京メトロ全線の
 列車位置、
 遅延時間等に係る情報
  (
   方向、
   列車番号
   列車種別(普通、急行、快速等)、
   始発駅・行先駅、
   車両の所属会社、
   在線位置(ホーム、駅間の2区分)、
   遅延時間(5分以上の遅延を「遅延」として表示)
  )

をオープンデータ化し、当該データを活用したアプリケーション開発コンテストを実施することで、東京メトロをご利用になるお客様の生活がより便利でより快適になるようなアプリケーションを募集します。

とのことだ。

特に面白いのはアプリの応募方法で、制作したアプリはApp StoreGoogle PlayWindowsストアなどで公開した上で、そのURLを投稿する必要がある(WEBアプリの場合は、直接URLを書けばいいのだろう)
これで一般ユーザーの評判を見つつ、ついでにアプリの安全性を審査することができる、と運営側が考えたかどうかは知らないが、他で公開しているアプリはダメ!とするよりもオープンだし、アプリ制作者にとっても分かりやすいのではないだろうか。

募集期間は2014年9月12日(金)~2014年11月17日(月)とのこと。
内容が更新されるかも知れないので、詳細をこれ以上引用するのは、将来の手間を増やすだけだろう。
詳しくは、最初に張ったリンクから確認してください。

外部JavaScriptを非同期に読み込めば、コンテンツ表示の遅延を回避できる

担当している案件で、外部のJavaScriptライブラリをインターネット越しにインクルードすると言うことをやっていた。

こんな感じだ。*1

<head>
~~~~
<script type = "text/javascript" src = "//hoge.jp/lib.js">
</script>
~~~~
</head>

ところが、このようなナイーブな書き方だと、
lib.jsが正常に読み込めなかった場合、その行で処理が止まってしまって、肝心のコンテンツの表示が遅延してしまう恐れがある。
色々と試行錯誤した結果、インクルード自体を非同期処理にしてしまうことに。

こういうjsを作って、ローカルなサーバに配置する

// asyncInclude.js
(function () {
    // DOMツリーに、<script></script>要素を追加し、すぐさまそれを取得する
    var tagjs = document.createElement("script");
    var s = document.getElementsByTagName("script")[0];
    // ここで非同期設定をtrueにしておく
    tagjs.async = true;
    // 後は属性を設定して、親ノードの末尾に挿入する
    tagjs.src = "//hoge.jp/lib.js;
    s.parentNode.insertBefore(tagjs, s);
  }());

そして、このファイルを画面から読み込む。

<head>
~~~~
<script type = "text/javascript" src = "//fuga.jp/asyncInclude.js">
</script>
~~~~
</head>

こうすると、読み込みが非同期となるので、万が一通信エラーが起こっても、他のコンテンツの表示に影響賀でなくなる。
ただし、このやり方は、そのjsの読み込みが遅れてしまっても構わない場合のみ有効。
初期表示時に必要なライブラリの読み込みを非同期にしてしまうと、当然ながら必要なタイミングで呼び出せないことになってしまうからだ。

*1:アドレスが//から始まっていると、これを書いたページにプロトコルが依存する。このソースファイルがhttpsで公開されていれば、https://hoge.jp/lib.jsと翻訳される

『アナ雪』Let It Goの日本語歌詞には、確かにエルサの孤独感が足りない

【速報】アナと雪の女王の主題歌『ありのままで』の歌詞がトンデモ訳だったことが判明wwwwwこれはひどいwwwww : 妹はVIPPER

 

おれが思うに「Let it go」ってもの凄く孤独な歌なんだよ。
でもあのマヌケな日本語歌詞をみたスイーツどもはLet it goを「自由だぜ、イエー!」ぐらいのノリで捉えてんだよ。

 

これを見て実際に確認してみたけど、確かに日本語版の歌詞はちょっと前向きすぎる気がする。もちろん、関係者が誰一人そこに気づいていなかったはずは無いのだが。

 


一緒に歌おう『アナと雪の女王』「Let It Go<歌詞付Ver.>」 松たか子 - YouTube

 


FROZEN - Let It Go Sing-along | Official Disney HD ...

 

日本語版でも大まかな意味は受け継いでいるんだけど、「ありのままの姿見せるのよ」という歌詞が強く出すぎちゃってるせいで、エルサが自分のトラウマと向き合う覚悟を決めたかのように見えてしまう。

実際は、元記事にもあるように、周囲の拒絶を恐れ、他人を傷つけるのを恐れ、自分以外住めないような山奥へと逃げ出すシーンなので、一周して躁状態になっているというか、「あーもうヤダ!やりたいようにやらせてよ誰にも迷惑かけないから!」という、ある意味逆ギレと強がりの歌詞なんだよね。

最後の、「寒くないわ」のエルサの自慢気な顔も、英語版の歌詞を踏まえて見れば、心のどこかに「これでいい」とは思えない引っ掛かりがあるような、ある意味絶妙な表情に思えてくる。*1

 

ただ、日本語の歌詞が完全にダメかというと、そうでもないと思う。

エルサは生まれつき持った氷の魔法のおかげで、感情が高ぶる=魔法が暴発する、という人なので、そもそもこんな風に笑うことすら抑圧して生きてきた背景がある。

しかし今、そのエルサの作る氷の城は、実際にとても美しいし、エルサの動きもいきいきとしていて、抑えつけていた才能を生まれて初めて全力で駆使する喜びのようなものを感じる。

スカートから足を出して、思い切り床を踏みつけるところなんかは、女王として振舞っていた頃には決して見せられなかったであろう、少女時代の自由だったエルサの面影がある。

それに、原曲の方も、別バージョンとしてエンディングで使われているわけで。

これって、ハッピーエンド後に改めて聞くと、解放の歌としても読めますよ、という公式のメッセージに他ならない。*2

日本語歌詞の方も、そういう二重性を持たせたかったというのが本音なんじゃないですかね。

 

*1:この後、エルサは迎えに来た妹に前向きに自分の決心を語るのではなく、私のことは放っておいて、と告げて追い返す。ここに来る前とほとんど変わらない対応だ

*2:ただ、エンディングの方ではより前向きな感じに編集されている

「犬から見た世界」 相手の体で考えること

 

犬から見た世界―その目で耳で鼻で感じていること

 

著者、アレクサンドラ・ホロウィッツの書くこの本のテーマは、つまり「犬であるとはどういうことか?」ということだ。

 

最初に頭が見えてくる。向こうの丘のてっぺんによだれを垂らした鼻づら(マズル)が現れる。見えるのは頭とマズルだけだ。残りの部分はまだ見えてこない。一本の足が音を立てて視野に入ってくる。そのあと、第二、第三、そして第四の足がゆっくりと続き、六五キロの体を運んでくる。

 

人間は長い間犬と共に生活を送ってきた。その分、犬に対して色々なことを言う。

例えば、犬は本能的に上下関係に組み込まれるのを好む、とかウチのリトリーバーは嬉しいと笑い悲しいとしょんぼりする、とか、そんなことである。

でも、僕達は皆、本当は心の奥底では薄々感づいていることがあって、それは、犬と人間は全く別の生き物なのだから、犬が本当に何を考えているのかなんてことは知りようが無く、僕達が犬に対して思っていることは、結局のところ一方的な価値観の押しつけに過ぎないのだということだ。

 

まず第一に忘れなくてはならないことは、擬人化である。わたしたちは犬の行動を人間の偏見に染まった視点から見、話し、想像する。そしてこれらの毛に覆われた動物に自分たちの情動と考えを押しつけるのだ。わたしたちは言う――もちろん犬は愛するし、欲望する。もちろん彼らは夢を見るし、考える。わたしたちのことがわかるし、言うことも理解できる。退屈するし、やきもちをやくし、落ち込むこともある――。朝家を出るあなたに向かって悲しげに見つめる犬を見て、ひとりぼっちにされて落ち込んでいると考える以上に、自然な説明がほかにあるだろうか?

 

そこで僕達が少しでも犬とわかりあうためにすべきことは何なのかというと、「犬であるとはどういうことか?」について真剣に考えることだ。

そもそも、犬とはどんな動物なのか?狼から派生した種であることはわかるが、では狼と犬がどの点で似ていて、どのように違うのか。理解している人がどのくらいいるだろう。

犬にとって視覚よりも重要な役割を果たしているのが嗅覚であることには、きっと疑いの余地は無いだろう。しかしそれが具体的にどういう感覚であるか、隅々まで想像することができるだろうか?

 

このような嗅覚をもつということは、どんなふうなのだろうか?わたしたちの視覚世界のあらゆる細かな部分が、匂いと組み合わさっているとしたら?薔薇の花びらはどれも違った香りがする。虫が訪れて、遠くの花粉の足跡をつけていったかもしれない。たった一本の茎が、だれが、そしていつ、それを持ったかという記録を保持しているというのは、いったいどんな感じだろうか。ちぎられた葉には、おびただしい化学物質が残されている。葉にくらべて水分をふっくらと含んだ花びらのにくは、さらに違った匂いを乗せている。葉の表面のひだには匂いがある。棘に結んだ露の玉にも。そしてどの細部にも「時間」の情報が含まれる。わたしたちは花びらが枯れて茶色くなるのを見ることができるけれども、犬はこの枯れゆく老化のプロセスを嗅ぐことができる。視覚世界の細部を分刻みで嗅ぐというのはどういう感じのものだろうか。つまり犬にとっての薔薇とは、そういうことなのかもしれない。

 

無論、この思考そのものが、ある種の独りよがり、押しつけである。それが悪いということではない。大事なのは、犬と良い関係を築く為に、適切な想像をすること。僕達がすべきなのは、科学的な立場から犬を理解して、その知識を持って、犬の立場で想像することなのだ。

犬達の方は、人間を彼らなりの解釈で理解しているだろう。それが彼らの生活に直結しているからだ。犬は「人間であるとはどういうことか?」などといちいち問わないかもしれないが、かわりにその卓越した集中力と好奇心をもって、僕達をじっと観察し、僕達とのつきあいかたを作り上げていくのだ。異種族との コミュニケーションにかけては、僕達人間よりも、彼らの方に軍配が上がるかもしれない。

しかし、犬達を遙かに上回る巨大な群れを作って生きている人間に、同じことができないはずはない。大切なことは、犬を厳しく躾ることや、欲しがるものをなんでも与えてやることではない。それは対処療法に過ぎないし、本質的なコミュニケーションではない。繰り返しになるが、犬についてできるだけ正確な理解を持ち、その上でじっくりと観察し、相手の立場を想像することである。

 

これは何も、犬との関係に限ったことではないかもしれない。誰でも普段、何かしら他者と接して生きているだろう。彼らは同じ種族だ。だから自分と同じように感じて、同じように考えて行動しているはずだ・・・などと本気で思っている人は、恐らく人間関係にトラブルを抱えてしまうのではないだろうか。*1

以前、非常に目が悪い友人と話をしていたときに、僕が日頃、綺麗だなと思っていた遠くの山が、なにやらぼんやりとした緑色のものとしてしか見えていないと知って、驚愕したことがある。眼鏡をかければ、彼も僕と同じくらいに見ることができるのだと思うが、それは常にレンズを一枚隔てた景色なのであり、全く同じに見えているかは疑問である。

体のつくりや育った環境によって、驚くほど多様な考え方をするのが人間というものだ。僕達は相手を自分とは違った個人として認め、その人のすることを無意識に意識的に観察して、つきあいかたを模索しながら生活している。だが、犬を相手にするときはどうだろうか?

 

この本は、犬の飼い方を示した本ではない。この本を読んだからといって、あなたの犬達とこれまでより仲良くできるとは限らない。あなたの家に住む犬が、あなたのいない間に家中のものを引き裂いて回る趣味を持っていたとしても、それ止めさせることもできないだろう。多少は、その手のアドバイスやアイディアについても書かれているけれど、あなたの隣にいる犬に同じ手が有効なのかどうかはわからない。

ただこの本を読むことで、犬とい動物と僕達がどう向き合っていくべきか、ということを考え直すきっかけにはなるはずだ。この本は、誰かとコミュニケートするときには、相手の視点に立つのが効果的だ、ということを、溢れんばかりの犬達への愛情と情熱を持って綴るものである。確実に、あなたの犬への接し方を変える一冊だ。あなたは、犬のINSIDE(内側)に入って行けるだろうか?

 

それでは、あなたの犬のところへ行き、観察してみよう。彼の環世界を想像し――そして彼にあなた自身の環世界を変えさせるのだ。

 

 

 

「犬から見た世界」より引用。著者アレクサンドラ・ホロウィッツ。訳者竹内和世。著者の犬に対する親愛と好奇心を感じさせる、雰囲気のいい訳だと思う。

*1:もっとも、考えすぎるのも良くないのかも知れない。相手はただなんとなく、それをしているに過ぎないのかもしれない。そこは、犬も人間も同じだろう

米沢穂信の「折れた竜骨」はパズルでファンタジーで歴史浪漫

 

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)

 
折れた竜骨 下 (創元推理文庫)

折れた竜骨 下 (創元推理文庫)

 

 

ミステリと言うのは、元々ちゃんとしたお話と言うよりは、論理パズルみたいな側面がある。

論理パズルというのは、赤い帽子と白い帽子を被らせた何人かの人間がいて、他の誰かの帽子だけが見えるような状況で、自分の帽子の色を当てさせると言うようなアレのことだ。

たまにその手のパズルには、「暇を持てあました王様が罪人達を使って遊んでいる」だとか、「見事正解した者には賞金が与えられる」だとか言う背景の説明が入っていることがあるが、その部分を小説一本分まで引き延ばして語ったのがミステリであり、探偵小説だと言えるだろう。

 

本作では、その論理パズルとしての側面を最大限に活用して描かれている。

即ち、「これこれこういうルールがあります、と言う条件さえ明示してしまえば、どれだけ現実離れした事を書いても良いのだ」と言うことである。

「折れた竜骨」の舞台は、十二世紀イングランドブリテン島から離れたところにある二つの島、ソロンと小ソロンである。

領主が暗殺され、彼の館に招かれていた傭兵達。

彼らがこの物語の主役であり、「容疑者」でもある。

この物語の特異な点は、魔術の存在だ。

そう、このミステリでは、魔術が「アリ」なのだ。そもそもの殺害方法から、「魔術で人を操って殺させた」であるし、ゴーレム使いの魔術師は嘘でもトリックでも無く、本当に巨大な青銅人形を操る事が出来る。

この他にも、様々な魔術の存在が示唆され、あげく不死の化物さえ登場する。ファンタジー要素が容赦なく盛り込まれ、ある種おどろおどろしい雰囲気を醸し出す。

 

これでは何でもありになってしまって、真面目に推理をする上でもアンフェアだ、と思われるかも知れないが、前述の通りこれは「論理パズル」であるから、「これこれこういう魔術が存在します」というのを一つのルールとして考えれば、きちんと答えに辿り着けるようになっている。

作中の言葉を借りれば、

たとえ誰かが魔術師であったとしても、また誰がどのような魔術を用いたとしても、それでも<走狗>は彼である、または彼ではない、という理由を見つけ出すのだ

と言う具合である。

まぁ当然ながら、考えられる可能性を無制限に取ってしまえば何も分からなくなってしまうので、明確に存在すると書かれていないことについてはなるべく考慮しない事にする、くらいが精々だろうが。

 

と言うことで、一見奇妙な設定のミステリに見えて、謎解きに関しては非常にシンプルに作られている。

丁寧に条件を組み合わせていて行けば最終的に一人をあぶり出す構造になっているので、人によっては物足りないくらいかも知れない。

 

これだけでは、話は終わらない。この本はもちろんミステリであるが、それ以上に米沢穂信の本なのだ。

僕としては、これまで書いたミステリとしての側面よりも、むしろ鮮やかに描かれた十二世紀イングランドの素敵さに目が向くところだ。

十二世紀イングランド、である。もう言葉の響きだけでたまらないだろう。

ドイツの騎士、鷹の目の弓師、ゴーレムを操る魔術師に、サラセン人の戦士、そして暗殺騎士を追う、聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士とその従士。

一人一人がじわじわと心を浮き立たせてくれる背景を持った傭兵達と、父である領主を暗殺され、しかし高貴さを失わず犯人を追い求めるアミーナ。

活気に溢れる市場や美しい町並みの描写

そう言った細かいポイントが、ファンタジー好きの心をくすぐってくれる。

そして、本物の魔術を導入した事による副作用として見逃せない事は、犯人は操られて殺人に及んだだけで、犯行の記憶を持っていないと言うことである。

端的に言って、みんな「いい人」なのだ。

ミステリでは、主役級の登場人物の中に、必ず犯行をごまかし、嘘をついている者がいる。

嫉妬、怨恨、恐怖と言ったマイナスの感情から犯罪に手を染め、それを誤魔化そうとしている者が。

そんな状況では、自分の好きなキャラクターが登場したとしても、「ああ、でもこの顔も見せかけなのだろうな」等と考えてしまう。

これでは、素直に楽しめない。常に相手を「人でなし」だと疑いながら読み進めなければならないのは、ある意味でミステリ最大の欠点であるとも言える。

ところが「折れた竜骨」においては、そんな心配は不要である。

一癖あるキャラクターばかりだが、悪い奴はいない。そう安心して読むことができるので、一般の小説と同じように、ドラマに没入してしまってよいのだ。

特に後半、街に侵攻する不死身のデーン人から人々を守って戦う傭兵達の姿には、心熱くなる事請け合いである。

 

ミステリ好きに取ってはシンプルで小気味よいパズルが、西洋好きにとっては歴史小説のような味わいが、ファンタジー好きにとっては王道の異世界ものとして、多くの人の琴線に触れる物語である。

ミステリの自由さを大いに誇示した一冊ではないか。

ubuntuのブートローダが壊れたけど、Live環境から「boot-repair」を使って無事修復できました

Windows XPがサポート切れしたこともあって、Linuxメインに乗り換えようと画策した結果、やや面倒なことになった。

 

元々、ubuntuWindowsデュアルブート環境だった我が家のPC。

しばらくubuntuの方を放置している間に、大量のアップデートが溜まっていたので、まとめて適用する。

それで、再起動してみると、ブート先のOS選択画面までは進めるものの、ubuntuが立ち上がらない。

エラーメッセージを便りに調べてみると、GRUBが壊れている、と言う症状らしいことが判明。

要するに、変なアップデートの仕方をしてしまったがめにブートローダが読み込めなくなってしまったのだ。

 

とここまでが前置き。

解決策を探して色々調べて見たところ、最近のubuntuではボタン一発でGRUBを修復する手段があると言う情報を得る。

boot-repairなるGUIでイカすツールが存在しているのだ。

さて、残る問題は、ubuntuが起動しない状況で、ubuntu上で動作するツールを実行する方法である。

Linuxに慣れた人には既にお馴染みの方法だろうか?

そう、Live CDを使うのである。

 

用意するもの

 ・ubuntuのLive CDかUSBなどにインストールされたubuntu環境

 

これだけ。要するに、メインのubuntu以外で起動できる何かしらの環境があればよいと言うことだ。

ちなみに僕は、CD-Rが無かったのでUSBメモリの方を選択した。

こちらは、Windows環境から、下記のツールで構築。

 

ubuntu isoはこちら

Ubuntuの入手 | Ubuntu Japanese Team

USBメモリにisoを焼いてくれる

窓の杜 - 【REVIEW】さまざまなOSのインストール“USBメモリ”を手軽に作成できる「UNetbootin」

 

ということでブータブルUSBメモリをサクッと手に入れることに成功。

続いて、作ったUSBメモリを本体にさして、BIOSのメニューを開いて「USB-HDD」から起動できるように変更。

この辺の操作は、マシンによって違うので説明は省く。僕のPCでは、「起動後のディスクチェック中にDELキーを押す」でメニューが開いた。

Boot Driveの設定を見つけ出せれば、変更してF10とかでsaveするだけだ。

 

さて、USBメモリ中のubuntuが起動したら、左上のDashホームからターミナルを検索して起動。

次のコマンドを順番に打ち込んで行く。

 

~$ sudo add-apt-repository ppa:yannubuntu/boot-repair

~$ sudo apt-get update

~$ sudo apt-get install -y boot-repair

~$ boot-repair

 

これが何をしているかというと、一行目でPPAのリポジトリを追加し、二行目でリポジトリのパッケージリストを取得、最新化している。

そして三行目でインストールだ。

オプションの -y は、途中の確認メッセージにすべてYesで答えると言う意味。

 

四行目を実行すると、boot-repairの画面が表示されるので、おすすめの修復(recommended repair)をクリック。

f:id:tylerhandstone:20140506182648p:plain

処理が終わったら再起動。

見事にubuntuが回復しているはずだ。

 

Linuxが難しいのなんて、本当に過去の話ですよ。そりゃちょっとばかり、コマンド打ったりはするけどね?

僕のようなLinux初心者でも、ubuntu程度をまったり普段使いする分には、そんなに困ることも無いのかもしれない。